発達障がいについて

発達障がいについて

「発達障がい」とは、主に自閉スペクトラム症(ASD)、学習障がい(LD)、注意欠陥・多動性障がい (ADHD) などを指す言葉です。
具体的な兆候としては「授業に集中できない」「忘れ物が多い」「スケジュール通りにしか動けない」「コミュニケーションに難がある」「物事に対するこだわりが非常に強い」などがあります。
発達障がいは、外見からは分かりにくく、症状やお困りごとが様々なこともあり、「わがまま」「困った子」「親のしつけの問題」と誤解されることが数多くあります。しかし発達障がいは、大脳や神経系の問題が関係しているため、年齢や環境に応じて適切なサポートを行う必要があります。

主な発達障がいの種類

※一つの特性だけでなく重なり合った特性を持つ場合もあります

自閉スペクトラム症(ASD)

「特定の物事に対するこだわりが強い」
「コミュケーションが上手にとれない」
「聴覚や嗅覚が敏感」
「相手の気持ちが読み取りにくい」
などが自閉スペクトラム症(ASD)の代表的な兆候です。

こだわりが強く出る、言語運用に難がある、臨機応変な対応で予定の変更が苦手など一人ひとり状況が異なります。
そのため、スペクトラム=「連続体」といったように、個々の状態を一つの集合体として捉える必要があるのです。
つまり、自閉症やアスペルガー症候群などは、別々の障がいとして捉えずにサポートを行うことが求められています。

学習障がい(LD)/ 限局性学習症(SLD)

学習障がい「LD」は英語のLearning Disabilitiesを略した言葉です。
「文章を読むことに時間がかかる」
「単純な計算がなかなかできない」
「書き写しが苦手」
など、特定の学習能力の取得が難しい状態です。

ただ、「読む」「書く」「計算」「話す」「聞く」などのいずれかに障がいが起こるので、
分野によっては発見が遅くなる傾向があります。

注意欠陥・多動性障がい(ADHD)

「常に落ち着きがない」
「授業に集中できず立ち歩いてしまう」
「約束を忘れがち・忘れ物が多い」
「片付けられない」
などの特徴がある注意欠損多動性障がい(ADHD)。

また、自分が動いた結果どうなるのかが判断できず、反射的に行動してしまう傾向もあります。
ご家庭、学校、塾など状況・場所次第で、症状が出たり出なかったりします。

運動障害

縄跳びやサッカーなど個別の動きを一緒に行うのが難しい「発達性協調運動障がい」、
無目的な運動行動を繰り返す「常同運動障がい」、
突発的な運動または発声を起こす「チック障がい」なども
発達障がいの一部として考えられています。

このようなことが苦手ではありませんか?

「集団で行動することができない」
「急なスケジュール変更に対応できない」
「人の気持ちに共感できない」
「学校や塾で集中できないと言われている」
「言葉が出てこず、かんしゃくを起こす」
「友達とのトラブルが絶えない」
「特定の物事に関して順番やルールにこだわりが強すぎる」
「スケジュールや約束を守るのが苦手」
「落とし物・忘れ物が人よりも多い」
「文章を読むこと・計算することが非常に遅い」
「偏食」

※これらの徴候があったからといっても、すぐに発達障がいというわけではありません。
正確な診断のためには専門の医師による、問診・面接・行動観察・検査などが必要です。

発達障がいの原因

発達障がいの原因は、はっきりとは解明されていません。ただ親の教育など、後天的な問題によって生じるものではありません。
多くは遺伝的要因や環境的要因などによる、脳の機能障がい、小脳や神経伝達物質の異常が原因だと言われています。前頭前野や大脳辺縁系の働きが低下したり、ドーパミンやノルアドレナリンの分泌が十分で無かったりするなどです。
子どもの発達障がいは、ずっとそのままかもしれないと不安に感じている方もいらっしゃいます。しかし、近年では最新版のDSM-5等から「神経発達症」といった考えも広まり始め、発達障がいは成長とともに発達改善する可能性も明らかになってきました。

個々人の力を伸ばすために考えるべきこと

発達障がいは、一人ひとり特長が異なるため、見た目ではわかりにくく、多くの誤解を生んでいます。たとえば「自閉症」は、言葉のニュアンス的に内へと閉じこもるイメージがありますが、 積極的にコミュニケーションを取るお子さんもいらっしゃいます。
大事なのは、「何が得意なのか」「何を苦手としているのか」「どんな魅力があるのか」といったように、「その人」自身に目を向けることです。
周りの価値観ではありません。

「みんなと同じ」を求めすぎると、発達障がいを抱えるお子さんは自信を失いがちになってしまいます。
その状況を見て親御さんも
「他の子ができることができない」
「人間関係がうまくいってないようにみえる」
と不安を抱えてしまいます。

だからこそ、私たち専門家はその子が十分に力を発揮できない領域を知った上で、適切にサポートする必要があります。
環境を整えたり適切な関わり方で接することで、その子が本来持っている良い部分がぐんぐんと育ち、のびのびと力を発揮することができます。私達は、その子ども一人ひとりに合わせて、だれもが自分らしく生きていける支援を行い続けます

 

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